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5.定期借地権マンションにかかるアンケート調査について(2009.11.2掲載) |
4.でリストアップされた物件について、個々の調査を行う作業と平行して、分譲会社に対してアンケート調査を行った。これは、地代や一時金等の設定、期間満了時の措置等、定期借地権を企画する上でポイントと思われる点について分譲会社の考え方を調査すると共に、その中で一定の方向性を探ることが目的であった。
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1) |
調査対象
<1> 4.1)の対象となった19物件の分譲会社を調査対象とした。
<2> 結果として12物件についてのアンケートが返信された。 |
2) |
アンケートの集計結果の概況
内容が重なる部分は除き、特色のある部分について解説をする。 |
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<1>一時金として「権利金」を選択した理由
・住宅購入者への返還の義務がなく、地権者の収入となるため、地権者の希望で権利金とした。
・地主側の資金になるし、相続税の支払いに充当できる。
・土地所有者の性格・事業上の要請等を総合的に判断した結果。
・土地所有者の都合。
・保証金だと返還義務が生じるし、将来まで担保が必要
・ユーザーの融資が受けやすくなる。
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<2>一時金として「保証金」を選択した理由
・50年間無利子で運用することの意義が見出せる。 |
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<3>購入者に対する融資の形態
項 目 | 回答社 |
公的融資のみ | 0 |
提携ローンのみ | 3 |
公的融資+提携ローン | 7 |
公的融資+提携ローン+その他 | 1 |
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<4>融資関係で苦労したこと
・定期借地権の担保評価の関係で金融機関の抵抗が多かった・・2例
・定期借地権にかかる金融機関の理解度の低さ等で融資が困難だった
・融資条件で念書等を取られた。
・社内融資が受けられないことがあった。
・転貸スキームであったため、事業主のデフォルトリスクの関係で、事業主が倒産した場合には地権者(公団)と顧客の直接契約となる三社覚書を結んだ。
・転売時で同様の苦労をするのかという心配がある。
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<5>一時金の決定方法について
一時金=所有権分譲価格×定期借地権割合―総事業費 | 2件 |
一時金=地価×○○%み | 3件 |
その他 | 4件 |
不明、未回答 | 3件 |
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<6>解体積立金の考え方
現状の解体価格相当を解体費の総額として積立 |
5件 |
現状の解体価格相当を積立て、月払いの積立金を消費者物価連動させる |
1件 |
不明・未回答 |
1件 |
その他 |
5件 |
なお、「無償譲渡を前提とする」という契約との関係は不明であるが、前述の調査シート作成の際に建物の登記簿を閲覧した際に、「借地期間満了時始期付所有権移転仮登記」がなされているケースが2例あった。
この関連性についての検証はできていないが、無償譲渡特約を入れる場合には、始期付所有権移転仮登記をセットとすることは一つの手法であると思われる。 |
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<7>解体積立金の管理
管理組合が管理 |
6例 |
地主が管理 |
1例 |
管理会社が管理 |
1例 |
不明、無回答 |
2例 |
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