■第2回その3 -- 定期借地権の契約(2008.11.17掲載)

定期借地権の契約はどのように行うのでしょうか?

まず、22条の一般定期借地権ですが、法律によると、書面により、「契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく」、「建物買取請求権を行使しない」旨の特約を定めることができるとされております。22条の借地権は「公正証書等の書面」とされておりますので、必ずしも公正証書で契約をする必要はありませんが、公正証書による契約の場合には公証人による契約の内容の確認があることや、公証役場で書面が保管されることを考えますと、公正証書による契約書を残しておくほうが良いと思われます。
では、契約の手続きはどのように行なうべきでしょうか?22条の借地権の場合は、公正証書による契約は要件とされておりませんので、書面により地主と借地人の間で定期借地権設定契約を行ない、後日その契約内容を公正証書に残す手法をとることができます。勿論、23条の事業用借地権で説明するような手続きで契約を行なうこともできます。

次に23条の事業用借地権についてですが、22条借地権と異なり、「公正証書」で書面を締結することが要件となります。そのため、通常は、地主と借地人の間で合意した事項について「事業用借地権設定に関する確認書」等の形で書面にまとめ、当該書面をもって「公正証書」を作成してもらい、公証役場で契約締結をするという手続きが一般的かと思います。
なお、事業用借地権は期間10年以上30年未満の場合は、「3条から8条まで(借地権の存続期間、更新後の期間、借地契約の更新請求権、借地契約の更新拒絶の要件、建物再築による借地権の期間の延長、借地契約の更新後の建物の滅失による解約等)、第13条(建物買取請求権)及び18条(借地契約の更新後の建物の再築の許可)の規定は」適用しない旨規定されております。これに対して、借地期間30年以上50年未満の事業用借地契約は、22条の借地契約と同じような規定となっております(公正証書の契約による場合は3つの特約が有効になる)。こうしたことから、契約書の作り方は借地期間により、異なってまいります。

最後に24条の建物譲渡特約付借地権ですが、この借地権は特に書面により契約をすることが要件となっておりません。これは、譲渡特約については、登記上で「始期付所有権移転請求権仮登記」や「再売買の予約による仮登記」等が設定される事が多いと想定されたことからこのような規定になっている等といわれております。もっとも、現実には、書面による契約をすることが一般的でしょう。
24条の借地契約は、普通借地権を設定して、30年以上経過後に土地所有者が建物を買い取ることで契約を終了できる旨の特約で設定することもできますし、また、22条の定期借地権を設定した上で、その特約として30年以上経過後に土地所有者が建物を買い取ることで借地契約を終了できる旨の特約をすることもできます。